高野山真言宗 医王山 平松寺

お知らせ

妙覚門再建祈願文

夫れ大峯山上は役行者神変大菩薩が祈り出した蔵王権現の聖地、大峰奥駈け熊野への起点なり。また、山伏修験者が真如法性の山に入り無明煩悩の敵を降伏する根本道場なり。
かるが故に龍山講建立の妙覚門は北に向かって遠く吉野を望み、連峰南に連なって高く蒼空にそびえる。あたかも龍の雲にのって昇天するがごとく、虎の地にうずくまってさけぶがごとし。
惟みるに龍山講は三百年前の享保年間に開祖翁誉大仙師が金の龍に導かれ奇跡を得られたことに始まり、毎月七日と二十一日には講中の安全祈願の護摩供を修行し、毎年大峯登山を行い同行の者を先達し明治初期には山上に妙覚門を建立す。以来、明治・昭和・平成と代々に妙覚門を護持せしが、去る平成二十六年秋の台風により倒木と共に倒壊す。真如法性に爪痕を残す近年の自然の猛威は正に修行者の無明煩悩が盛んなる証。精進すべし。
ここに龍山講は十方信徒に浄財を募り、棟梁は吉野の霊木に鑿を振るい、洞川の面々は協力を惜しまず。今、通り染めを迎え先達や寄進者 協力者を顕彰す。
精魂は凝って一山の聖様を示して余りあり、山の相に荘厳を増し霊徳また威光を添える。願わくはこの浄らかな行いの功徳を以て権門益々世に興隆し寄進者 協力者と世間の難を救って世界の平和の招来に資益せんことを

乃至法界 平等利益

平成二十九年七月一日

護持法主敬白